素人が限られた情報から日経記事「新日本監査法人、会計士ら早期退職者400人募集」から全く関係ない薬剤師の将来を考えてみた。

 先に断っておきますと、私の会計知識は自営業の社長レベルの拙いものです。専門家ではないので、しっかりした情報・知識に基づいたエントリではなく、新聞記事を読んで感じたことを記載しただけの物です。

 本日の日経新聞WEB版TOP記事
 新日本監査法人、会計士ら早期退職者400人募集の抜粋。
 「国内最大手の新日本監査法人は、所属する公認会計士と会計士試験合格者を対象に400人の早期希望退職を実施する方針を固めた。大手監査法人が数百人規模の希望退職者を募るのは珍しい。
 対象は一部部署と若手を除く会計士と会計士試験合格者約4800人。応募者には面談を経て原則10月末までに退職してもらう。基本給の6〜10カ月分にあたる割増退職金を支払うほか、再就職支援も実施するという。
 監査法人金融危機後の景気低迷で収益が低迷した。」

 2009年3月31日現在 6,319名(非常勤を除く)中4,800人が対象となるのは、かなり大規模なリストラと感じます。  
 これは2ヶ月前のニュースと連動した流れとみられます。
 その時推測できたことは以下の通りです。
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5/26 日本経済新聞の記事抜粋
 新日本監査法人 会計士100人企業に出向 経営現場で修行。
 「新日本監査法人は2012年までに100人程度の公認会計士を企業に出向させる。監査だけではなく企業経営に精通した会計士を育てる。
 日本は15年にも上場企業の連結決算に国際会計基準を導入する見通しで、企業側には会計士を雇うことで会計基準の変化に迅速に対応できる利点がある。会計士の産業界進出を促す狙いもある。
 対象は5〜7年の実務経験がある27〜35歳の会計士で、出向期間は3年間。初年度となる今年はまず4月に20人が出向、7月にさらに20 人を送る。商社や食品メーカーなど上場企業の経理や人材開発部門に配属してもらい、新日本が出向先と同水準の給与を払う。
 出向期間が終わると原則は新日本に戻る。本人が希望すれば企業に残れるようにする。」
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↓これを見た時に思ったこと。
「出向先と同水準の給与」がミソで、
1.出向期間終了後も、受け入れ企業で継続雇用される可能性が高くなる。
2.高額収入の監査法人の水準でないため、監査法人側の給与支給額を圧縮する事が可能。
3.(おそらく)3年後戻ってくるときに、出向前の高額な給与は支払われない。
 ということで、リストラが目的という事が推測できていました。
 ただし、受け入れ企業から見ると、3年間負担なしで雇用できるうえに、IFRS対応等に力となる人材が適正な給与で確保できることとなりメリットが大きいと思われます。

 5/26はその第一弾であり、おそらくこれだけでは赤字(2009年6月期13億円)解消できる見込みが立たなかったために、今日の大規模リストラ記事となったのでしょう。なぜ、ここまでのリストラが必要か推測してみると
外資系企業、不動産ファンドの撤退や企業の再編・破綻で上場会社数が減り、予算を下回った。
・近年の公認会計士の大量合格。初任給引上げによる人件費の増加。

 財務諸表が入手できないので、労働分配率を研究することもできませんが、本来企業として強みとなるはずの資格者増加。それによる人件費増に対策を打たなければならない苦境にあるのでしょう。
 
 薬剤師市場においても、同様の事が10年後には起きているかもしれません。
 現在は6年制への移行に伴う狭間で、特に地方においては薬剤師不足のピークということで転職市場でも、薬剤師免許1枚あるだけでお客さん扱いされているわけですが、薬学部乱立による薬剤師免許保持者の急速な増加は確実であり、6年制卒業初年度はともかく(4年制最終年より免許取得者は少なくなる試算もある)5〜10年後には、免許さえあれば食いっぱぐれないという安易な状況ではなくなっていることでしょう。
 この空白の期間にいかにプロフェッショナルとして研鑽するか、若しくは薬剤師プラスのキャリアアップを図るかが、分かれ目になりそうですね。