TPP と GDP

まずGDPについて簡単にまとめてみます。
2010年の日本における実質GDPは539兆8,807億円

GDP(Gross Domestic Product)=国内総生産
・国内(Domestic)で新たに生産された物・サービスの付加価値合計額。
・「国内」なので、日本企業の海外生産分は含まない。

GDP=家計所得(約6割)+企業所得(約3割)+政府所得

所得は誰かしらの支出とも言えるので、

GDP=消費+投資+純輸出 ともなる。

TPPで関税が撤廃されると、このうち純輸出に関して効果的ということで言われているわけです。GDPのうち、どの程度の効果があるかというと、

日本の輸出状況
財務省 2010年貿易統計より
http://www.customs.go.jp/toukei/shinbun/trade-st/gaiyo2010.pdf

輸出 67兆4059億円
-)輸入 60兆6357億円
= 差引(純輸出)6兆7702億円

あれ?ずいぶん少ない気が…
GDP =消費+投資+純輸出
539兆 =消費+投資+6.77兆

GDPに対して、純輸出の寄与する割合1.25%に過ぎません。

これは、輸出を利益の中心とした日本企業が工場等をすでに海外にシフトしているためです。

これに対して、工業製品を輸出している関税は5%前後なので、関税撤廃がGDPに及ばす効果は限定的ともいえるのではないでしょうか。
しかしながら、米作をはじめ農家への影響。日本の厳しい残留農薬基準が緩くなる。医療においても、保険対象外分野の拡大→外資保険会社の利益拡大。と悪影響は大きいように感じます。

→11/1見つけた記事 医療(国民皆保険)崩壊の懸念も→
http://www.agrinews.co.jp/modules/pico/index.php?content_id=10331

医療自由化目標 「入手していた」 米国文書で厚労相

米国政府がTPP交渉で、公的医療保険の運用で自由化を求める文書を公表していたにもかかわらず、日本政府が「公的医療保険制度は交渉の対象外」と国民に説明していた問題で、小宮山洋子厚生労働相は27日、「9月16日に外務省を通じて受け取っていた」と述べ、入手していたことを明らかにした。公的医療制度の根幹である薬価の決定方法が交渉対象になる可能性も認めた。