「おもてなし」についてまとめてみた。

◆おもてなし語源
「もて成す」と書き、「モノを持って成し遂げる」という意味。
 具体的には、お客様に対して「(見える)モノ」と「(見えない)コト」という二つの要素を使って、お客様に対して、心を配るということ。
「表裏なし」つまり表裏のない誠意をこめた心配りでお客様をお迎えする事


感情労働 
cf)『The Managed Heart: Commercialization of Human Feeling 』  邦訳:管理される心―感情が商品になるとき Arlie Russell Hochschild
   
肉体を使った労働が肉体労働、頭脳を使う労働が頭脳労働なら、感情労働では感情を労働の一部として提供する働き方である。  
お客様が良い時間を過ごせるように、感動労働者は自分の感情を常にお客様のためにコントロールし、どんなクレームにも平静を保って対処することが求められる。  
肉体労働者が、自分の手足を機械の一部として働いたように、感情労働者は自分の感情を自分から分離し、感情それ自体をサービスにする。  
客室乗務員から派生した社会学の概念ですが、お客様と対峙する機会がある職種すべてに、感情労働が求められるようになっています。
 感情労働で感情をコントロールする時に演技をすることがある。
 一つは、聞いているふり・美味しいふりをするといった表層演技(見せかけの演技)。
 もう一つは、その場にふさわしい感情を引きだす深層演技。例えば、クレームがあった場合に「自分達のためにこのお客様は言ってくれている。自分達の今後の成長に役立つ有難い言葉だ」「お客様はこういうクレームを言いたくなる状況で辛いんだ」と相手に感謝と同情の気持ちを持つように考えて、自分の感情をコントロールする。ベテランになると、相手の立場に立つというクレーム対応は意識せずにできるものですが、言われてみると同じ様な考えで自分の感情を引き出してますね。 うそ・ごまかしはすぐばれます。


↓他、参考文献

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◆おもてなしの挨拶
居酒屋チェーンのやまびこ挨拶:一見、お客様へのサービス精神に満ちた行為に見えるその情景は、実に機械的な唱和の中に籠められた条件反射的な反応であって、そこに本当の意味でのお客様に対する敬愛の精神が籠められることは少ない。
デパート等:朝礼・研修での、全員が大きな声で「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」と唱和しているシーン。一般的には非常に礼儀正しい気持ちのよい挨拶であると見られています。ただし、「あたたかい心からのごあいさつ」とは言えない。従業員はお客様を見ていません。大きな声ではありますが、常にトーンは一本調子です。誰が来ても同じ「いらっしゃいませ」です。

 リッツ・カールトンホテル: ドアマンが、来客を見て深々と頭を下げながらドアを支え、いらっしゃいませと言葉を紡ぐ時。
そこには、自分がリッツのホテルマンだという自負と自覚と誇りに満ちた姿を見ることができる。
 そして、そのただ一人の挨拶は、数十人の無機質な条件反射による挨拶よりも、遥かに心を打つチカラを内包している。
 挨拶は仕事の手を止めて、お客様と向かい合ってするものです。さらに言えば、お客様に応じて声のトーンや微笑みの程度も変わって来るでしょう。それはお客様の様子をしっかり見て、把握すれば、自然と分かるものです。家族で食事を楽しんだ年配の男性への「ありがとうございました」と、デート中の若いカップルへの「ありがとうございました」は違うはずです。

→接遇チェックをすると、「ありがとうございました。」がレジに向かってだったり、何かしながらのついでだったりというケースは多いです。1日何百人〜千何百人を数人で応対するので、リッツのようには行きませんが、たくさんある小売業から我々の店を選んでくれたという感謝は一人一人に込めてほしい(込めたい)ものです。

◆「お客様は神様です」の嘘
 気をつけなくてはならないのは、お客様のことを第一に考えて行動することで良いサービスを提供することは重要ですが、迷惑行為や理不尽な要求に全て対応しようとすることは従業員の作業時間と心を疲弊させることとなり、結果として『声が大きなお客様』以外の大多数のお客様に充分なサービスを提供する事ができなくなるということです。
 逆に思い切って「思いやり」ではなく、どんなお客様に対しても同じ笑顔、同じ応対、完全にマニュアル化されたサービスを提供できるようにすれば良いのか?そういったサービスに満足感を感じるお客様も多いので、ファーストコンタクトや決まった状況で応対するために一定のマニュアルは必要と考えます。しかし、接客の時間が長かったり、イレギュラーな対応が必要な場面に対して、サービスの完全なマニュアル化は不可能であり、仮にできたところで型通りの対応ではお客様にとっては不満を感じることになります。
 また、どれほど完全な笑顔を作ったところで、そこに思いやりがない(表裏がある)と見破られてしまう事があります。逆に笑顔がなくても、お客様が従業員の思いを感じて喜んでくれることもあります。
 感情労働者の多くは、相手を思いやることでその思いがお客様に届き喜んでいただけたことに最高の満足感を得ることがやりがいとなっています。
クレド
 使い捨てコンタクト自主回収=J&J http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100819-00000105-jij-bus_all
 もちろん発生しないのが、ベストですが、発生した事故に対して、こういったことをしっかりすぐにできるのは、クレドを重視している企業ならでは。
 飯田橋と神保町の間にあるJ&Jの立派なビルにお邪魔したときも1階ロビーにクレドが明記されていました。
 弊社もクレドに値するものはあります。ただ、経営理念ほどには浸透していないのも事実です。
 プラス思考で伸びしろがあると考えます。今後が楽しみです。